ミュージック・マガジンと中村とうよう
本屋でみつけた「ミュージック・マガジン」が中村とうようの追悼号なので、ほんとに久しぶりにこの雑誌を買ってきました。先々月、自ら命を絶った中村とうようが、1969年に創刊したのが、ミュージック・マガジン。大学の頃には愛読したものです。
この音楽誌の特徴は、アルバムレビューにあります。音楽のジャンル別にニューアルバムを評論家が点数をつけて評価をするものですが、私が愛読していた当時はなかなか辛辣な評価が並んでいました。いつの頃からか10点満点の評価になってしまいましたが、当時は100点満点での評価でした。40点くらいの点数もいくつかあった反面、すごい点数をとったアルバムもありました。いまでも覚えているのはザ・バンドの「南十字星」(1975年)に100点満点がついていて、すぐにアルバムを買いました。評価どおりすごいアルバム。
また、アルバム評論では、クロス・レヴユーも個性的。専門が違う評論家が何枚かのアルバムを評論するもので、これも10点満点で評価。以前は中村とうようも担当していて、0点つけたアルバムもあったようです。今号のレビューをみると、どれもおとなしい評価で、0点とかはありませんでした。
追悼特集では小倉エージ、北中正和、萩原健太、今井智子など懐かしい評論家の方々が寄稿しています。エルヴィスについてはほとんど評論をしなかったせいもあり、中村とうようの評論、ライナーノーツを読む機会は多くはありませんでした。しかし、若い頃読んだミュージック・マガジンからは明らかに影響を受けました。音楽市場の変化にもこの雑誌が生き残っていることは、中村とうようの作ったものが小さくないことを示しているのではないでしょうか。
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