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2011/06/03

画家にとっての、二十歳の原点

 日吉の大学にいくと、35年前にもあった校舎がまだ使われていて、懐かしい感じがします。その時は20歳、いやいや恐ろしい。この頃は、何をしていたのか、ほとんど思い出せません(笑)。
 平塚市美術館で開催されている「画家たちの20歳の原点」は、題名のとおり画家が20歳の頃、どんな作品を描いていたかを、その思想とともに紹介する企画展です。美術館開館20周年記念展で20歳、それに学芸員なら誰でも思いつきそうな企画ではありますが、内容はかなり充実しています。
 「20歳の原点」というテーマでは、20歳まで生き抜いた画家が対象となるため、その数は膨大です。その中から、油彩作品に絞り、そこに明治、大正、昭和、現代という時代のカテゴライズで展示を構成しています。20歳は、そこまで生きられた人間にとっては、誰にでも同じ20歳です。しかし、夭逝した画家にとっては、20歳での作品はひときわ重みを持ちます。本展では、関根正二、村山槐多、松本竣介、石田徹也といった若くしてこの世を去った画家を取り上げたことで、展示を一層存在感のあるものにしています。
 全体をみて感じるのは、自画像が多いこと。20歳の頃って、自分のこと描きたくなるんでしょうか。私など自分のこと描きたいなんて思いませんよ、恥ずかしいもの。
 また数ある作品の中で興味をもって拝見したのは森村泰昌の作品。いまやセルフポートレイトの巨匠ですが、20歳の頃の作品は風景画。キュビズム風でもあり、カンディンスキーの抽象絵画に至る前の作品のようでもあり、今の森村作品とはまったく違う作風に驚きます。
 展示会は萬鐵五郎作品から始まります。これは岩手県立美術館所蔵です。また関根正二の「姉弟」などの作品は福島県立美術館の所蔵。この企画展の開催に際し、作品の借用には苦労があったと推測します。これだけの作品を、被災地を含め全国のミュージアムや作家本人から集めたという点でも、有意義な展示だと思います。会期はあと10日ほど。素敵な企画展です。ぜひどうぞ。

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