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2011/02/20

佐藤忠良展、ふたたび

 昨日、世田谷美術館で講演会「佐藤忠良のしごと」を拝聴してきました。これは、佐藤忠良展の関連企画です。正直いって佐藤忠良の作品はよく理解できていないのですが、講演をきかせていただいて、理解する方法が、少しだけわかりました。
 佐藤忠良展に「ある造形家の足跡」というサブタイトルが付けられています。彫刻家ではなく、造形作家としたのは、佐藤忠良の彫刻家としての作品に加え、絵本の絵、新聞小説の挿画や制作に関わった美術の教科書も展示されています。造形作家としての佐藤忠良を見据えた展示になっているわけです。
 講演で教わった内容で、特に感銘を受けたのは、佐藤忠良が編集に関わった美術の教科書のこと。現代美術社という出版社からだされていた小学校、中学校、高校向けの美術、図工の教科書に関わりました。講演会で佐藤が教科書に書いた文章を資料としてもらいました。(うっかり聞き損ねたのですが確か)高校の教科書『美術・その精神と表現』にある「この本を読むひとへ」という文章です。佐藤は志賀直哉が飛鳥、奈良の美術写真の選を依頼されたとき、関西に住んで、2年に渡りもの見て歩いて選びました。優れた感性を身につけた志賀直哉が、実際にその場所に住んで、生活の原点に立ち、心の目で見ようとしていることとして、佐藤は学ぶべきことが多いと評価しています。
 そしてこのように書いています。

「感性を人間に備わっている属性のように思っている人がいるが、わたしは、違う、と思う。 感性は、放っておけば鈍ってしまう。学問と同じように、努力して獲得するものだ。獲得の方法を吟味して、努力を積まなければならない」
 素敵な文章です。

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コメント

greeagainさん
後援会はかなり濃い充実した内容でした。講師の方は仙台にいたとき、いろいろお世話になった宮城県美術館の学芸員の方です。ずっと佐藤忠良先生とおつきあいをされておられます。

投稿: 自由なランナー | 2011/02/21 21:55

こんにちは!
私も昨日観に行きました。講演会、聴きたかったのですが、時間がなく聴けず。レポートありがとうございます。「彫刻家、造形家」、確かに御指摘の通りだと思います。失念していました。
今回の展示は教科書関連に目を見張りました。あんな教科書で習いたかったです。

投稿: greenagain | 2011/02/20 12:39

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