海外で活躍する日本の建築家
先週のクローズアップ現代「建築が人をつなぐ」で建築家ユニットSANAA(妹島和世+西沢立衛)にインタビューした内容が放映されていました。クローズアップ現代とはいえ、NHK総合のゴールデンタイムに建築家を取り上げることは、少々驚きでした。
昨日の朝日新聞文化欄に建築家を取り上げた記事がありました。題して「建築家、海外で跳ぶ 高まる評価、少ない国内建設」。近年、海外での仕事が増えている日本の建築家に焦点をあて、その一方で日本国内での設計が多くない事実を指摘しています。記事であげられた例を紹介すると、
槇文彦 MITメディアラボ(2009年、米) ワールドトレードセンター タワー4(米)
磯崎新 冬季五輪ホッケースタジアム(05年、伊) 中央美術学院美術館(08年、中)
伊東豊雄 バルセロナ見本市会場・パビリオンなど(07年、スペイン) 台中メトロポリタンオペラハウス(台湾)
安藤忠雄 美術館・プンタ・デラ・ドガーナ(09年、伊) 上海保利大劇場(中)
坂茂 ナインブリッジズ・ゴルフクラブハウス(10年、韓) アスペン・アートミュージアム(米)
隈研吾 三里屯ビレッジ南区(08年、中) FRAC現代美術センター(仏)
SANAA ニューミュージアム(07年、米) ヒュンダイカードコンサートホール(韓)
と、ずいぶんたくさんあります。記事によれば、
「坂さんは主な仕事の9割ほどが海外、伊東さんも8割が、磯崎さんは「ほぼすべて」が海外という。隈さんで6割、槇さんや安藤さんでも約半分が海外という」
国内では「箱物」という言葉で語られるように、公共施設の建築には厳しい批判があり、新しい建物は作られにくくなっています。また、国内の公共建築では、入札、プロポーザル、コンペなどなんらかの選定方法で選ばれることが基本ですが、海外では指名での仕事もあるといいます。
ただ責任は行政側にだけあるのではなく、建築家にも問題はあったと伊東豊雄さんは言います。
「日本では、建築を社会や市民が考える風土が十分に育っていないのに、建築家がデザインの抽象性や理論を訴えても、社会から遊離するだけ。もっと社会に入っていく論理をつくらないと」
建築家って、語ること好きですよね。
日本の建築家が海外で活躍するのはいいことです。これからは、ベテランに加えて、若い世代も活躍して欲しいと思います。
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