菊とポケモン:日本の文化力
ポケモン、今でもパワーあるんですかね。息子が熱中していたのではもう10年以上前。そのころは、映画も見に行きました。大学の授業で『菊とポケモン』という本を読みました。ポケモンに象徴される日本のキャラクターがどのようにアメリカ社会に受け入れられたかを分析したもので、綿密な調査、研究に基づいた内容になっています。
この本の原題は『Millennial Monsters: Japanese Toys And the Global Imagination 』で、1千年のモンスター、日本のおもちゃとグローバルな想像力、といった意味でしょうか。これを『菊と刀』にひっかけ、菊とポケモンとしたのは、悪くないアイディアだと思います。本書では、鉄腕アトム、パワーレンジャー、セーラームーン、たまごっち、ポケットモンスターという日本製のキャラクターが、アメリカでどう受け入れられたかを検証し、そこから日本の文化力を分析しています。著者は、文化人類学のアン・アリスン。英語での原書は2006年に出て、邦訳は昨年の8月に出版されています。
著者のアン・アリソンは日本に住み、日本人の書いた文献もかなり読み、ほんとに詳しく書かれています。アメリカ人からの日本文化論として参考にすべき論点がいくつも提示されています。ある意味、日本人が書く以上に日本のことを語っていると思います。
でも、ポケモン以降、日本の力を示すようなキャラクター出ているんでしょうか。ここがちょっと心配。
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