書籍電子化代行業の著作権
電子書籍ビジネスがいろいろ模索される中で、当然考えられるビジネスが生まれてきています。昨日の日系新聞の記事<書籍の電子化代行業、続々 「私的」か「営利」か 著作権法上微妙に >は、紙の本を電子化する代行業が著作権に抵触しないか、を報じています。
iPadの登場が拍車をかけたのでしょうか。紙の本を顧客から預かり、ばらばらにして、スキャナーで読み込み、PDF化する「書籍電子化代行業」が増えています。すでに数十社が立ち上がっており、一冊100~200円程度で電子化できます。
問題なのは、その電子化が著作権に抵触しないか、ということ。日経の記事によれば、
「この新サービスは、著作権法上は微妙な位置にある。著作権法は個人が自ら楽しむ範囲で書籍や音楽などの作品を複製する場合は「私的複製」にあたり、作家などの著作権者に許可をとる必要はないとしている。だが、複製行為の主体が事業者の場合は許可が必要になる」
と著作権としては、明確な判断ができない状況のようです。
作家サイドは、
「権利者の団体は『利用者が自分のスキャナーでPDFを作成するのは私的複製だが、営利目的の業者がかかわっている場合は違法だ』(日本文芸家協会の三田誠広副理事長)と主張する」
と違法行為との判断をしています。
また、この問題は文化庁のワーキングチームでも議論されており、
「認定の仕方によっては書籍の電子化代行サービスは利用者が行為者で、事業者はその手足として複製しているにすぎず、私的複製の範囲内という見方もできる」
と、必ずしも違法とも言いないとの見方を、現状ではしています。
電子書籍ビジネスが立ち上がってくると、著作権の問題がこれまで以上に重要になってきます。権利者側もかたくなに権利を主張するだけでなく、柔軟な対応を要求されているのではないでしょうか。
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コメント
bubu@さん
本一冊、スキャンして200円で採算とれるんですかね。上手い方法でやっているのかもしれませんが。
確かにコピーとどう違う、という問いには答えにくいかもしれません。
投稿: 自由なランナー | 2010/09/25 07:53
青空文庫の電子化の作業ちょっとやったことがあるけど、まあこちらは著作権切れてるしね(^^
>スキャナーで読み込み、PDF化する「書籍電子化代行業」
こんなのあるんだ、でも普通は本をスキャニングするて時間かかる。一冊大体2時間くらいかな。やったことあるので結構面倒な作業です。ただコピーみたいに読取装置がついてたらもっと早いですね(^^;
これを禁止したら、コピーも違法ってなっちゃうから。なんかニッチな所の行ってますね(^^;
投稿: bubu@ | 2010/09/21 11:03