武蔵美、酒井先生の最終講義
武蔵野美術大学の通信でお世話になった酒井道夫教授が、今月で退任されるため、最終講義があり拝聴してきました。場所は通信教育の本拠地、吉祥寺キャンパス。最終講義が行われたのは、昨日の午後でしたが、それにあわせて、キャンパス内にあるフレスコ教室というところで展覧会「漱石『猫』の異版と酒井九ポ堂の軌跡 」が14日より開催されていました(昨日で終了)。
この展覧会、ちょっとなんだと思わせるタイトルです。前半の「石『猫』の異版」は、夏目漱石の『吾輩は猫である』の様々な本を比較展示したものです。出版された時代、出版社によって、本の作り(装丁)が違いのはもちろんですが、本文の表記も異なっています。たとえば、ある本では「猫」を「ネコ」とカタカナで表記。これは、出版当時、猫が当用漢字に入っていなかったためです。また、我が輩も同様に、いろんな表記があります。漱石の原文通りの表記されていたと信じてましたが、違うんですね。
また「酒井9歩堂の軌跡」というのは、酒井先生がずっと趣味(仕事?)にされている活版印刷についてです。やはり大学の先生であったお父様が、自分の著書を自ら活版印刷機で作られていたのを受け継ぎ、酒井先生も活版印刷機で自家出版をされています。9ポ、というのは文字の大きさのこと。いま、コンピュータでもフォントの大きさをポイントで表しますが、活版印刷でもポイント表示です。私が出版社で働いていた頃には、まだ活版印刷が現役で、文字の大きさを指定するのに「9ポ明朝」とかやるわけです。それをみて、職人の方が活字を組む、ということになります。それを酒井先生はご自宅でやられているわけです。
展覧会と同じ題で、最終講義では90分以上お話しされました。久しぶりの酒井節です。講義終了後、懇親会があり、一緒に学んだ何人かの学友たちと、2年ぶりにお会いすることができました。
武蔵美に学んだ3年間、勉強面では大変なことが数多くありました。でも、今振り返れば、勉強を続けること、そして勉強をする意味など、これも多くのことを得ることができました。酒井先生にはとても感謝しています。これからも元気にご活躍ください。
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コメント
酒井先生
コメントありがとうございました。最終講義、とても楽しく拝聴しました。
武蔵美の通信を卒業してはや2年たちますが、酒井先生の講義はいまでも印象に残っています。
また、どこかでお目にかかれることを楽しみにしております。
投稿: 自由なランナー | 2010/04/24 14:03
ずいぶん時間を経てからのレスですが、最終講義に出席していただいてありがとうございました。
大勢の方に来ていただき、ガラにもなく結構アガってしまい、あれを言おう、これを言おうと用意していた事柄も提示しないままで終わってしまいました。
私としては煮え切らない思いの講義でしたが、好意的に受け取っていただいているようで助かりました。
ありがとうございます。お元気で !
投稿: 酒井道夫 | 2010/04/22 12:47
163さん
楽しい最終講義でした。
今度、お会いしたときにお話しします。
投稿: 自由なランナー | 2010/03/24 06:56
参加できずに残念でした。
今度お話を聞かせてくださいね。
投稿: 163 | 2010/03/23 09:00