木村伊兵衛とブレッソンの出会い
恵比寿の写真美術館でやっている「木村伊兵衛とアンリ・カレティエ=ブレッソン」へ。ストレートな企画展です。写真にちょっと詳しい人なら、思いつくようなテーマかも。ブレッソンの写真展は、2007年に国立近代美術館で開催されていて、その時期、常設展示で木村の作品も合わせて展示されていました。
今回の写真展では、木村、アンリ両者の代表的な作品が展示されています。木村であれば、秋田をテーマにした一連の作品。また、アンリでは有名な「サン=ラザール駅裏、パリ」があります。これだけまとまって二人の写真家が撮影した作品をみられる機会は、多くはないでしょう。
面白いと感じたのは、会場の冒頭にある2枚の写真。木村が撮ったアンリの写真と、アンリが撮った木村の写真が並べられていること。こんな作品があったのですね。それぞれ、撮る人と撮られる人の人柄が感じられる作品です。
また、展示の最後に、両者が撮ったカラー写真があります。木村とアンリ、どれぞれが当時しては新しい素材に挑んで、作品に仕上げています。アンリはカラー写真を撮ることには消極的だったようです。それに対して、木村の作品は、モノクロ作品とはかなり違った作風を感じ、とても興味深いものがありました。
木村と、アンリ。その作品を見ていると、なぜか落ち着いた気分になりました。写真の基本がそこにあるのかもしれません。
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