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2009/08/24

地球の中心への旅:鴻池朋子展

「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」というミステリアスで、アトラクティブなタイトルにひかれて、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の鴻池朋子さんの個展を見てきました。鴻池さんの作品、拝見するのは初めてですが、なんとも不思議な作品世界が広がります。
 地球の中心へと旅をするという設定で展示が展開されます。「インタートラベラー」とは鴻池さんによる造語で「異なる世界相互に往復し、境界をまたぐ人」の意味。アクリル絵画、ミクストメディア、アニメーション映像、鉛筆画、インスタレーションと様々な表現形式の作品を見ながら、地球の中心である深度6400メートルへ到達します。
 特に<赤ん坊>と題された作品が印象的。暗闇の中に置かれたスパンコールで覆われた赤ん坊の頭。その頭に光があたり、回転します。きらきらと動く光の束を見ていると、自分が回っているような錯覚に陥ります。天井からは怪しげな物体が吊り下げられ、気になる音をあげ回っています。ほんとに地球の中心へとたどり着いたかのようです。
 
 全編、鴻池さんによって語られる地球神話の世界。会場にあった鴻池さんの言葉。
「絵を描いていると、美しいものが分かるようになると思っていたら、それもつかの間、美しいか美しくないか、まったく分からなくなってしまった」
 確かに、展示された作品は美しさを越えて、恐ろしさをも感じさせてくれます。これからの創作の展開が期待できる展示だと感じました。

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☆チラシは2種類あって、並べると作品が完成です。

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