線の迷宮<ラビリンス>番外編:版画の魅力
私にとって、芸術作品としての版画をみる機会は多くはありません。でも、版画を見始めると、しばらく見入ってしまう魅力があるのが、不思議です。
目黒区美術館では『響きあい、連鎖するイメージの詩情ー70年代の版画集を中心に』が開催されています。この美術館では「線の迷宮<ラビリンス>」と題して、線の魅力に迫る企画を、過去2回開催してきました。今回はこの美術館で所蔵している詩画集、版画集を展示するものです。
版画には、いくつもの技法があります。木版画、銅版画、リトグラフ、エッチングなどなど。それぞれの技法についていつも覚えようとするのですが、すぐ忘れてしまいます(笑)。それだけ多彩な表現芸術であるということなのでしょう。展示されている作品をみていると、繊細な表現にはほんと感心します。おそらく、日本人に向いている芸術ではないかと思います。
版画に対する知識が浅いので、展示されている作家さんの名前はほとんど存じ上げません。でも、草間弥生さんの版画もあり、これはやはり草間ワールドな魅力。李禹煥 『点より、線より』は、李さんの絵画がそのまま小さな版画世界に凝縮された印象です。また、以前神奈川県立近代美術館で拝見した柄澤齊さんの木口木版は、その細かな表現に魅せられます。
おりしも、柄澤さんがワークショップで木口版画を教えていらっしゃいました。これ、有料ですが、贅沢な講座ですね(私ももう少し器用なら参加したいところですが)。
版画は、一見地味なものではありますが、その魅力は奥深いです。響きあい、連鎖するイメージの詩情ー70年代の版画集を中心に』は、意欲的な企画だと思います。
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