ゴーギャンの表現
ゴーギャンの作品は国内のミュージアムでもいくつか所蔵していて、なじみのある画家ですが、「ゴーギャン展」ではまとめてみることができ、その魅力に触れることができました。展示されている作品のなかでも、注目は日本初公開の「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」です。武蔵美で使った西洋美術史の教科書に載っていたので、近代美術史においても重要な意味をもっているのでしょう。
会場では、作品専用の部屋がつくられ、じっくりみることができました。作品に描かれたいくつかのモティーフからは宗教的なものを感じました。ほかのゴーギャンの作品からはあまり受けないイメージです。画面の中央に描かれた果実を取ろうとする女性に、まず目がいき、そのあと様々なポーズをとる女性、赤ん坊、動物、偶像が見えてきます。絵の前で、しばらくゴーギャンの世界を楽しみました。
この作品が描かれたのは1897年、ピカソの「アビニョンの娘たち」が描かれる10年前。この19世紀から20世紀になっていく時代は、面白いですね。既に研究し尽くされているでしょうが、調べてみたくなる対象ですね。
ゴーギャンが描いたのは、原色の自然と女。ちょっと決めつけですが、会場にある作品をみていると、そんな印象が頭を支配します。ゴーギャンスタイルともいうのか、ある意味定型化された表現ですが、強いインパクトを与えてくれる作品が多いです。
ちょっと、残念なのは展示されている作品が版画作品を含んで50枚ほとど少ないこと。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」があるので、納得しましょうか。前の記事でも書きましたが、いづれ混みます。はやめにいかれることをおすすめします。
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