ちょいとでました、あきれたぼういず
「あきれたぼういず」なるグループご存じですか。知っている方は、相当の芸能通です。このあきれたぼういず、大学の授業で取り上げられて、初めて知りました(こんなこと、大学院でやっているんですよ)。
最初、川田義雄、坊屋三郎、芝利英、益田喜頓の4人からなるグループ(その後、メンバーが替わって第2期となります)で、いわゆるヴォードビルのグループです。舞台で、歌って、踊って、喋って、観客を楽しませるエンターティナーと言えばいいのでしょうか。坊屋三郎、益田喜頓の2人は名前を知っていますが、残りの2人は知りませんでした。活躍したのは昭和10年代前半。したがって、当時の映像は少なく、音源もSP盤をCD化したものがあるだけです。
ちょっと興味があったので、中古で『ぼういず伝説』というCDを手に入れました。「チョイと出ましたあきれたぼういず、暑さ寒さもちょいと吹き飛ばし、春夏秋冬明けても暮れても、歌いまくるぞあきれたぼういず」と冒頭に歌い、出し物が始まります。ジャズ、オペラ、シャンソン、アルゼンチン・タンゴ、キューバン・ルンバ、日本からは軍歌、謡曲、童謡、浪曲などの音楽を演じながら、ポパイ、東北弁、弁士など様々な語り口で、パワフルに演じる4人組。現代ではちょっと見あたらないパワフルなパフォーマンスです。リーダー格の川田義雄の歌はプロ級です。
平成の今では、昭和初期の大衆芸能は、ほとんど知るすべがないのが現状です。あきれたぼういず、を楽しむことは、ちょっとマニアックではありますが、でも楽しいものです。
| 固定リンク | 0
コメント