これも写真なんですね。やなぎみわの世界
この人の作品をみていると、写真とは何なのかと思わざるをえません。東京都写真美術館で開催されている「やなぎみわ マイ・グランド・マザーズ」は、写真家やなぎみわが2000年より発表し続けている「マイ・グランド・マザーズ」のシリーズ全体を公開するものです。
このシリーズでは公募でモデルになった若い女性たちが思い描く50年後の自分の姿を、写真という表現形式で描いたものです。やまきみわの写真は、綿密な準備をしたうえで撮影されているとききます。構図を練り上げ、大道具、小道具が用意され、モデルの衣装も周到に準備された上で撮影とか。更に、CGも駆使されて作品に仕上げられていくようです。
肉眼で捉えているものをそのまま正確に表現するのが写真であるなら、やなぎの作品は写真とは言えないでしょう。写真という技法で、やなぎは物語を伝えているように感じます。具象絵画では表せない饒舌な物語が、そこにあります。
やなぎの作品では「エレベーター・ガール」しか知らなかったのですが、彼女はさらに先をいっていたのですね。これからも目が離せません。
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