伝統の黒川能をみる
山形・庄内の櫛引町に500年もの間伝わってきたとされる黒川能という伝統芸能があります。この黒川能は、鎮守である春日神社の年4回の例祭に、神事として奉納されますが、中でも旧正月に行われる「王祇祭」(おうぎさい)は最も重要なお祭りとされています。大祇祭は2月1日から2日にかけておこなわれ、その中で、夜通し演じられる能が、お祭りのハイライトになっています。
昨年からこの黒川能が気になっていたのですが、実は観覧希望者が多いため抽選になっています。昨年末申し込んだのですが、運良く当選し(定員70名に対し200名の応募があったそう)、家族でいってきました。櫛引は山形県の鶴岡市にあります。東京から新幹線と在来線を乗り継ぎ、4時間あまりの旅です。
大祇祭では、2月1日の未明、春日神社の神霊が宿る王祇様を上座、下座それぞれの民家(当屋といいます)にお迎えします。振る舞いなどが行われたあと、夕方から子どもが演じる「大地踏」で黒川能がはじまります。
式三番、続いて能5番、狂言4番が夜を徹して演じられます。夜の18時か翌日の朝まで、2つの場所で能、狂言が夜通し演じられます。演じるのはすべて地元の人たちです。
民俗芸能は、国内にそれこそ膨大な数があると思いますが、この黒川能はその中でも、エネルギーを持っている芸のひとつではないでしょうか。
恥ずかしながら、能に対する知識もほとんどなく、鑑賞経験も皆無といっていい私ですが、この黒川能には大いにみせられました。これから、少しずつ、この伝統芸能を調べてみようと思っています。
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