イギリス人アーティスト12の旅
世田谷美術館で開催されている「十二の旅:感性と経験のイギリス美術」は、そのタイトルだけみただけでは、とっつきにくい展覧会です。この企画は、栃木県立美術館、静岡県立美術館、富山県立近代美術館で開催されており、この3つの美術館と世田谷美術館の所蔵作品を中心に、国内の美術館の作品を加えて構成されています。ただ、展示品リストをみると、栃木県立美術館のコレクションが多く、おそらく栃木県立美術館が企画の中心なのでしょう。
本展は、12人のイギリス人アーティストが、「旅」によってもたらされたものを考察しようとする企画です。旅、それは異境へいくこと、異文化との接触と言い換えればいいのでしょうか。アーティストの未知の地での経験から生み出されたものが表現されています。12人のうち、6人は日本への旅を経験しており、その旅から生まれた作品が展示されています。
時代としては18世紀のジョセフ・マロード・ターナーから現在も活躍しているディヴィッド・ナッシュまで様々な時代の作家が取り上げられており、またバーナード・リーチやヘンリー・ムーアなど有名な人から、ボイル・ファミリーやベン・ニコルソンといった私にとっては初めて知るアーティストまで多彩な作家が集められています。
展示されていたアーティストでは、「地球表面への旅」をしているボイル・ファミリーの作品が刺激的でした。父、母、息子、娘のファミリーでつくるミクスト・メディアの作品、面白かったです。
企画でみせてくれる展覧会ですが、その企画は成功していると感じました。楽しめる展覧会です。
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