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2008/12/24

山口薫:具象から抽象へ

 昨日で終了してしまいましたが、最後の駆け込みで「山口薫展 都市と田園のはざまで」(世田谷美術館)をみてきました。山口薫の作品をまとめてみるのははじめてです。山口は1907年生まれ、東京美術学校(現東京芸術大学)卒業後、渡仏。帰国後、自由美術家協会、モダンアート協会をつくり、日本画壇の中心的役割を果たした画家です。
 展覧会では、初期から最晩年の作品までを、資料を交え展示しています。山口が画家として活動し始めたのは1920年代後半。この時期はヨーロッパで様々な美術様式が展開されていった時期です。山口の作品も初期には風景画、肖像画といった具象画が描かれていましたが、戦後の1945年以降、抽象的な表現の作品が多くなります。
 この時期の作品は形の表現にその特徴があります。具象と抽象の間にある、とでも言えばいいのでしょうか。たとえばこの「ノートルダァム」(1954年)は、独特な形の表現がされています。この時期の作品が、もっとも山口薫らしい、と感じました。

Notredame19541

 その後、山口はほとんど抽象画といっていい表現形式にすすみます。薄塗りの油彩が特徴的。スケールの大きい作品もいくつかあります。
 しかし、最晩年には「おぼろ月に輪舞する子供達」(絶筆)で、きわめてシンプルな具象作品を描きます。
 具象と抽象を行き来した山口の作品。見ていて心がやすらいでいくのを感じる作品が多くありました。素敵な展覧会でした。

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