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2008/07/21

新たなルオーの魅力

 久しぶりに出光美術館に。いま、「ルオー大回顧展」が開催されています。出光美術館といえば、日本美術のイメージが強いですが、ルオー作品を約400点コレクションしています。このコレクションを知りながらも、「大回顧展」というタイトルにはちょっと懐疑的で、気軽にルオーを見るつもりで出かけました。しかし、会場に並ぶ作品をみていくと、まさに回顧展に名にふさわしい展示に圧倒されました。
 この展覧会の特徴は、3つあると思います。まず、ルオーの画家活動で初期、そして晩年の油彩画が多く出展されていること。宗教画家と形容されるルオーですが、キリストをテーマにしていない作品も多く手がけていることがわかります。風景画や肖像画は、ルオー独特の平面性が強調されて、興味深い作品が並びます。
 2つめとして、これまで未公開であった作品が、はじめて公開されていること。ルオーが手がけた銅版画集「ミセレーレ」の制作過程で、未完成のまま破棄されることになった作品が、公開されています。作品には斜線が入れられ、破棄される意図があきらかな作品群が展示されています。この作品はこれまでコレクションはされていたものの、ルオー財団から出展が許可されていませんでした。この「大回顧展」に限って、出品されています。
 3つめとして、連作油彩画「受難」がまとまって展示されていること。64点の連作は、圧倒的な存在感を示しています。

Rouault

 この展覧会に出展されている作品は約200点、出光のコレクションに半分。いまさらながら、この美術館にすごさを知る企画展です。

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» 「ルオー 大回顧展」 出光美術館 [はろるど・わーど]
出光美術館(千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階) 「没後50年 ルオー 大回顧展」 6/14-8/17 没後50年に相応しい展覧会です。世界最高規模を誇るという出光のルオーコレクションを総覧します。出光美術館で開催中の「ルオー大回顧展」を見てきました。 ルオーの回顧展と言えば、同じく出光コレクションの出品されたMOTのそれを思い出しますが、今回も彼の画業を時系列に辿りながら、「ミセレーレ」や「受難」シリーズなどの核心をも提示する、質量ともに充実した正統派の展示に仕上がっていました。や... [続きを読む]

受信: 2008/08/05 21:14

» 「ルオー大回顧展」 [弐代目・青い日記帳 ]
出光美術館で開催中の 「没後50年 ルオー大回顧展」に行って来ました。 出光コレクションが誇るルオーコレクションは、2005年にも開催されました。この年齢になると3年前などつい最近どころか、一昨日のことのように思えてしまいます。 この2005年に天井高のある広々とした空間の東京都現代美術館で拝見した「ルオー展」は、それまで抱いていたルオーに対するマイナスのイメージを払拭してくれた忘れることのできない展覧会でした。 「出光コレクションによる ルオー展」 2005年4月16... [続きを読む]

受信: 2008/08/09 13:57

コメント

Takさん
こんにちは。
海外にいかれていたのですね。
出光の力を感じた展覧会でした。珍しく図録を買ってきました。

投稿: 自由なランナー | 2008/08/13 21:25

こんにちは。
TBありがとうございます。

しばらく留守していた関係で
お返事遅くなってしまいました。

「ミセレーレ」の制作過程作品の
展示はよく財団が許したなと
驚きつつもじっくり鑑賞してきました。

投稿: Tak | 2008/08/09 13:59

はろるどさん
こんにちは。
トラックバックとコメントありがとうごいざいまず。ご無沙汰しています。
現代美術館で開催された展覧会は岩手県立美術館へ巡回したので、見ましたが、その時の印象とは違った印象を受けました。
ルオーは独特のスタイルながら、多彩なテーマを描いているのに、興味を持ちました。

投稿: 自由なランナー | 2008/08/07 06:30

こんばんは。ご無沙汰しております。TBをありがとうございました。
私がルオーを知ったのはかつて木場の現美で行われた回顧展の時でしたが、時間をおいて拝見するとまた違った印象を受けるものですね。仰る通り、キリスト教主題以外の作品も多数あって、定番ながらも知られざるルオーも示した良い展覧会だと思いました。

投稿: はろるど | 2008/08/05 21:18

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