森山大道の今
東京都写真美術館で開催されている「森山大道展」は、写真家・森山の本格的な写真展です。いまから、35年ほど前、高校の時に読んでいた「アサヒカメラ」で、森山はすでに連載をもつ人気写真家でした。その森山も今年70歳、ベテランとなってながら、創作活動は盛んです。
本展は、「Ⅰレトロスペクティヴ1965-2005」と「Ⅱ.ハワイ」の2部構成。「レトロスペクティヴ1965-2005」は森山の軌跡を追う、回顧展的な内容。これに対し「Ⅱ.ハワイ」は最新写真集「ハワイ」からの作品を大型プリントで展示するもの。
会場には、多くの若者が熱心に作品に見入っていました。最近の写真ブームから、予想はしていましたが、女性が多いのにはちょっと驚きました。70歳にもなろうとする写真家の作品展に、これだけの若い鑑賞者が訪れるのは、ちょっと異例なことではないでしょうか。森山の写真は、一般的な写真のイメージとは対極のところにあります。ほとんどの作品がモノクロ。アレ、ブレ、ボケと形容される独特の表現。およそ美しいとはいえない日常の風景を切り取る写真。どこが若い女性の心に響くのか。ちょっと不思議です。
森山の写真を見ていると、なにかこころがざわざわしてきます。でも、見ていると引き込まれる魅力があります。なんとも不思議な写真です。これだけの森山の作品を、一挙にみられるまたとない機会です。
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