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2008/05/25

世界一の映画館と日本一のフランス料理店

 仙台にいたときアマゾンなどで買い込んでいながら、積ん読になっていた本を少しずつ読み始めています。昨日読み終えたのは、その内容のもつ迫力に圧倒された一冊です。「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたか」と長いタイトルが、まず印象的。

Sakata

 山形県酒田市。人口わずか10万人ほどの町に(平成の大合併で現在は約11万人)、当時世界一と賞賛された映画館、そして日本のトップレベルに達していたとされたフランス料理店がありました。この2つをつくった佐藤久一という人物を描いたノンフィクションが本書です。
 映画館「グリーンハウス」は、洋画の専門館。映画評論家として高名な荻昌弘、淀川長治が足繁くかよいました。フランス料理店「ル・ポットフー」には多くの有名人が訪れました。食通でしられる作家の開高健はここの料理を食べた後「今日は生まれて初めての体験をしました」と語り、やはり作家の山口瞳は4日間、店にかよいつめました。当時、飛行機はなく、東京から酒田までは7時間半かかった時代です。
 落語家古今亭志ん朝は興行のため酒田を訪れました。志ん朝はフランス料理通で、ル・ポットフーの前評判を聞いてたためわざわざ足を運び、料理にレベルの高さに「日本で初めてすごいフランス料理にぶつかった」と賞賛。そして勘定のとき、その安さに再度仰天したといいます。
 佐藤久一という人物。67歳でこの世を去りました。生きていればまだ78歳。タイトルにあるように、その存在はほとんど知られていなかった人のようです。綿密な取材によって集めた資料を、情緒豊かに、かつ的確な表現で書かれた文章は、一気に読ませてくれる魅力があります。
 ひさびさに面白い本を読みました。おすすめです。

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コメント

ヒロ子さん
酒田の街にはついに行く機会がありませんでした。東京からの方が近いので、こんど訪れてみたいと思います。

投稿: 自由なランナー | 2008/05/26 07:26

母方祖母の実家が酒田で、ル・ポットフーも名前は聞いたことがありました。
そんなにすごいフランス料理屋さんだったのですね。
祖母が亡くなって20年以上過ぎました。
懐かしく祖母を思い出しながら、この本を読んでみたいです。

投稿: ヒロ子 | 2008/05/25 17:15

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