今、小林秀雄
「人世の鍛錬」とは、なんとも奥深さを感じるタイトルの本です。小林秀雄の言葉を『小林秀雄全作品』から選んだのが、新潮新書から先月でた『人生の鍛錬 小林秀雄』です。小林秀雄、もちろん名前は存知あげていますが、恥ずかしながらその著作は読んだことがありません。文化勲章も受けた文芸評論家。文芸論には、これまであまり興味がなかったので、著作には縁がありませんでした。
この本、読み始めると、文章はかなり手強い。はっきりいって難解です。新書を読むのに、2週間くらいかかってしまいました。ただ、編集者によって選ばれた言葉は、どれも含蓄に富んでいます。
この本を読んで、意外な発見がありました。小林秀雄は、一時期書画に没頭し、「ゴッホの手紙」、「近代絵画論」などの美術論を書いています。小林秀雄=文芸論と思いこんでいましたが、その評論の幅は広い。
この本をきっかけに、少しずつ小林の著作を読んでみようと思いはじめました。
最後に、印象に残った小林秀雄の言葉。
困難は現実の同義語であり、現実は努力の同義語である。
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