美術記事が多い最近の日経新聞
最近、日経新聞には美術関係の記事が多いような気がします。2週間ほど前には日本の公立美術館を格付けした記事を掲載。(詳しくはここを)また先週の土曜日(21日)には文化面の特集で「美術の鑑賞力高める」と題した美術鑑賞に対する学校と美術館の取り組みを紹介。更に今週の月曜からは文化面で「ミュージアム 拓く」と題した連載企画をはじめています。
なぜ、日経新聞がアートに注目しているのでしょう。公共施設としてのミュージアムがおかれた危機的な状況に提言をしようとしているのか。それとも、そんな単純ではなく、日経新聞としてアートの市場性に注目しているのか。ちょっと気になります。
大学で芸術支援の勉強をしていると、美術の世界は「ちょっと特殊だな」と感じることがあります。やはりアートを見ることは、ちょっと難しくて、堅苦しいところがあります。それは、アートをみせる場を提供する側(主に美術館)の問題もありますが、やはり最大の問題点は、美術鑑賞の仕方を知らない(教えてもらっていない)ことだと思います。
たとえば、東京の近代美術館で行われた有名な印象派の画家の回顧展で、「展示されている絵、本物ですか?」ときいたオバサン。(関係者から聞いた話) 大丸ミュージアムでのクレー展。「照明くら〜い」と文句口調でつぶやいていたおねーちゃん。(私の体験)
作品を見に美術館に足を運びながら、展示側の思い、意図などを受け取れない人が少なくないと思うのです。これを、どうしたらわかりやすくしていくか。このヒントが、最近の日経新聞のアート関連記事には隠されているのでは、と期待しながら日経新聞の紙面をひろげています。
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コメント
163さん
こんにちは。コメント遅れてしまいました。
おしゃるように、混みすぎない程度の集客が見る側としてはいいのですが、そうもいかないようですね。
一部のアートファンだけにミュージアムは存在していないので、その意味では日経の取り組みは評価できると思います。
投稿: 自由なランナー | 2006/10/29 14:33
そうそう。日経は美術ネタが増えてますね。日経新聞は、特別展の後援も多くしてますし。
新聞社やテレビ局が後援する場合、思ったほど集客できないと、自社で宣伝するケースは多々あります。数回の特集でコラムを掲載したり、番組のスポット宣伝を流したり・・・。お金をかけているから集客も多くしたいのでしょうが、それを見てあわててくると、大混雑に巻き込まれて大変です。
カンタンにできれば苦労はしないのでしょうが、混雑していなくて、美術館も存続できるいい具合の人数はどうすれば集められるのでしょうね。
鑑賞の仕方といえば、美術館では、教育者のための鑑賞ガイドをおこなっているところが多いようです。しかし、講演やレクチャーは受けず招待券だけもらって帰る人もいるみたい。たまたま用事ができたのかもしれませんが、あんまりだ・・・とつぶやきたくなります。
アートを説明する必要はないと思いますが、それぞれが鑑賞する手助けや、慣れるような環境はもっとあったほうがいいと思います。
投稿: 163 | 2006/10/26 11:44