今年は作家・遠藤周作の没後10年。マスメディアで、遠藤の作品や、遠藤の人となりが取り上げられています。その中で、先日遺稿が発見され、新刊として発売されました。『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい』と、ちょっと長いタイトルの本。発見された原稿にタイトルがなかったため、本文の冒頭の書き出しをタイトルとしたもの。
46年前に書かれた原稿は、手紙の書き方を「孤狸庵先生(こりあんせんせい=遠藤周作)」が丁寧に教えてくれる内容。なにせ昭和35年に書かれたものですから、時代背景は全然違います。メールはおろか、ファックスもない頃。でも、読んでみるといまでも新鮮な「教え」がいくつもあります。
遠藤周作作品は、何冊も読みました。特に『沈黙』、『私が棄てた女』が印象に残っています。また孤狸庵先生のエッセイも軽妙です。遠藤周作は、大学の先輩でもあり、かなり昔ですが息子さんとも飲んだこともあり、なんとなく親しみがありました。
また、この原稿をもっていたのは櫻井秀勲さん。この方は現在女性問題評論家として活躍していますが、以前光文社で編集者として活躍。その時、若き日の遠藤を担当していました。その頃何故か、遠藤の原稿が櫻井さんの元に預けられていたようです。実はこの櫻井さん、私の仲人なんですね。昨年暮れに久しぶりにお会いしましたが、お元気そうでした。機会があれば、またお邪魔して遠藤周作事件の顛末をお聞きしようと思ってます。
櫻井秀勲さんのWEBです。なかなおもしろい。顛末はここを。
朝日新聞にも掲載されました。 「遠藤周作の未発表作あった」
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