藤田嗣治展の混雑に思うこと
一昨日、金曜日から仕事で東京に。その日の夜に「藤田嗣治展」の2回目の鑑賞。かなり混雑しているとの噂だったので、おそるおそるいってみたのですが、6時半頃だったせいか、券売窓口には列はなく、すんなり入れました。会場内は、人は多かったですが、不快になるほどの混みようではありませんでした。
ただ、昼間の時間帯は超混雑のようですね。過去いろいろな事情があり、本格的な回顧展が開かれなかった藤田の、待望の展覧会ですから、混むだろうな、と思っていました。
最初の鑑賞は、混雑対策として、美術展が始まって6日目、休みをとって平日にいきました。朝一でいったのですが、予想外に混雑していません。乳白色の肌を独占できました。ちょっと肩すかしでしたね。
ただ、現在はそんな状況ではないようです。主催しているNHKと日経新聞が、マスメディアで盛んに紹介していることも手伝って、どんどん来訪者が増えています。藤田展のような、いわば大規模な展覧会の集客に欠かせない「カルチャーおばさん」達が動きはじめたな、という感じです。
昨年、入場者が多かった双璧は「ゴッホ展」と「北斎展」。ゴッホ、北斎に比べ、藤田嗣治は、いまひとつ知名度がなかったせいで、展覧会の出足が鈍かったのではないでしょうか。ゴッホといえば、ひまわり。北斎は富嶽三十六景、でも藤田は? しかしNHK、日経という2大マスメディアの報道が藤田の魅力を伝えたことで、美術展の動員に欠かせない層が、会場に足を運びはじめたようです。
美術展でよく感じるのが、来場者の二極化。私のようなおじさん、おばさん層が主流の展覧会と、ほとんど若者の展覧会。中間の30代後半から40代半ばの層が少ない感じです。子供を連れて、気軽にいける美術展が、もっと必要だなと思います。また、この藤田展では、高齢者の方がゆっくりみられる環境ができればいいなとも思いました(現実的には難しいでしょうが)。アートを提供する立場になると、大変なこともあるのでしょうが、少しでも多くの人が、藤田の魅力をしって欲しいと思います。
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» あぁ、藤田嗣治展 [ミュージアムにいこう]
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生誕120年「藤田嗣治 展」
3月28日(火)~5月21日(日)
東京国立近代美術館
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一連のテレビの特集で、藤田の人生のドラマを見て
そして、展覧会が開かれるまでのの紆余曲折を知り
(私がいつも拝見しているtakさんのブログにて)
断然行きたくなったわけですが、
すごい混雑しているようなので、昨日の金曜日に
家事もそこそこに、できる限り早く家を出たのですが・... [続きを読む]
受信: 2006/04/25 03:44
» どっぷり浸る・・藤田嗣治展 [ミュージアムにいこう]
前回あまりの混雑に引き返してしまった藤田嗣治展。
GW初日の土曜の夜に出直してきました。
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生誕120年「藤田嗣治 展」
3月28日(火)~5月21日(日)
東京国立近代美術館
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予想どおりガラガラ!嬉しかったです~。
1人で3作品ほど1人占めできる感じ。
で、これがやっと会えた乳白色の肌、と思ったのですが、
ちょっとイメージが先行してしまっていたようです。... [続きを読む]
受信: 2006/04/30 23:23
コメント
明日は、朝一で入館の予定です。
投稿: 知的なターザン | 2006/05/02 18:29
はろるどさん
こんにちは。
うちの子供は、中学生になったので藤田も女房と一緒にいって、楽しんできました。ただ、小さいうちは、一緒にはいけなかったですね。
おっしゃるとおり、横浜トリエンナーレは親子で楽しめるものでした。子供。そして高齢の方にみやすい展覧会を企画してほしいですね。
投稿: 自由なランナー | 2006/04/25 07:55
賽目 さん
ちょっと日本の美術展、ミュージアムは偏っていますね。大混雑する展覧会と、そうでないもの。また、地方(仙台もそうですが)のミュージアムのがらがら状況をみると、考えさせられます。
投稿: 自由なランナー | 2006/04/25 07:52
テレビや新聞の影響って多大ですね。
私は金曜日の10時前に到着しましたが、すでに長い列。
並ぶのが嫌いなので、常設展と工芸館だけ見て帰ってきました。
おばさん層は、お友達と連れ立ってというのが多いですが、
あの混雑では絶対はぐれてしまいます。
ちなみに、藤田展に入れなかった日、常設展は貸し切り状態。
こちらのほうが、素敵なおしゃべりが楽しめそうでした。
藤田展、GWの遅い時間に、子供を夫に預けてリトライします!
投稿: demain_soir | 2006/04/25 03:43
こんばんは。
私も先日の土曜日に行きましたが、
11時30分くらいの段階で50分待ちでした。
ゴッホ展以上かもしれませんね。
>おばさん層が主流の展覧会と、ほとんど若者の展覧会。中間の30代後半から40代半ばの層が少ない感じ
たしかに仰る通りです。
名品、古典ものは前者で、
現代アート関連は後者が多く、
ファミリーで楽しんでいる様子を見かける展覧会は少ないです。
トリエンナーレあたりが一つの突破口にもなればと思いますが…。
投稿: はろるど | 2006/04/23 23:04
こうした「大混雑」を見ると、美術館ってなんだろうって思うのですよね。「秋田の行事」を飾る平野政吉美術館に行ったときなどは、2時間ぐらい、美術館のスペースを独占していましたから。
投稿: 賽目 | 2006/04/23 22:53
りゅうさん
こんにちは。
そうですね、夜間がおすすめでしょう。おばちゃん達が連んでみているのは、ちょっとな、と思う私です(笑)。だってうるさいんですもの。
常設も、いいですね。いつも時間がなく、駆け足でみるばかりです。
投稿: 自由なランナー | 2006/04/23 20:47
こんにちは、貴重な情報をありがとうございます!V(^0^)
そうそう、夜間開館日が増えたようですね。朝イチ作戦は厳しいようなので、夜間開館日で、おばちゃん達が夕飯の支度で帰り始める夕方からが狙い目ということのようですね。
あっ、所蔵作品展が・・・
投稿: りゅう | 2006/04/23 18:05