豊麗な宮本三郎の女性像
この週末は東京に帰ったのですが、大学の課題が終わらず、家にこもりっきり。見たかった長谷川潔も、町田久美さんもついに見逃しました(泣)。なんとか、時間をつくって東京宅から歩いていける宮本三郎記念美術館に行きました。ここでは、ちょうど「宮本三郎の描いた女性像 豊麗なる絵画世界」が開催されていて、最終日でした。
この企画では宮本の描いた女性像を、10代の作品から、69歳での絶筆となった作品まで37点が出展されています。宮本の絵を年代を追ってみていくと、作風が変わっていくさまが、興味深いです。
若き10代の作品「婦人像」は印象主義の影響が色濃い作品。「婦女三容」(小松市立宮本三郎美術館蔵)は、全体が淡いトーンで描かれ、絵からは安井曾太郎作品から受けるものと同じもの(曖昧な表現ですが)を感じました。
宮本が30代、40代に描かれた一連の裸婦作品は、暗色を基本として描かれています。「不詳」は、暗い肌色で塗られた裸婦が、独特の存在感です。
宮本の50代の作品は、厚く塗られた油絵の具が特徴的。描かれた女性に瞳が、どれも大きく印象的です。
晩年、60代は、幻想的な世界の作品が、多く描かれています。色合いは、華やかになり、赤、ピンク、青などあでやかな表現で、宮本は新たな作品をつくりだします。絶筆となった「假眠」は、横たわる裸婦のまわりを、子供の人形がとりかかこむ、ちょっと不気味な幻想世界が、あでやかな赤をつかって描かれています。
日曜の午後ながら、会場では貸し切り状態で、宮本作品を堪能しました。来月からは、また違ったテーマで、展示が行われます。また、訪れたいと思います。
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