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2005/12/06

ベトナム近代絵画を発見する美術展

先日、竹橋の近美でみた「アジアのキュビズム」は、アジア各国のキュビズム作品がみられ、とても印象的な展覧会でした。また、刺激的な美術作品に出会いたくなって、ひょっとした見られるかなと思い、ステーションギャラリーの「ベトナム近代絵画展」にいってみました。結論を先にいうと、正解でした。
この「ベトナム近代絵画展」は1925年から75年までのベトナムの絵画を年代順にみせてくれるもの。ベトナムの絵画って、まとまってみるのは初めてですが、その絵画世界は独特です。展示されている作品の多くを占めるのが、板に漆で描いたもの。この技法はベトナム独自のものかは、浅学な私は知らないのですが、その作品は質感、印象、表現が伝統的な油彩とは、まったく違うもの。漆画は、見る角度によって、絵画の見え方が違います。会場の解説に「下からみると違った印象に見えます」と書いてあるので、来場者はみなさんしゃがみ込んで絵を見ています。確かに印象が全然違いますね。不思議です。
気にいった作品はたくさんあります。「寺院の祭り」は、全面を支配する赤にこころをつかまれます。そして、描かれた人物の表情がどれも違っていて、魅力的に描かれています。
有名な作品らしい「リエン嬢」は、あどけなくて、ちょっとうつろな女性が、赤を基調に美しく描かれている一枚。
チャン・チュン・ティンの新聞紙に描かれた一連の作品は、強い反戦メッセージを伝えます。また、「遊んでる子どもたち」は、モダニズムの影響を感じながらも、しかしオリジナル性が強く、楽しげな作品です。

作品を見ていると、ベトナムの「民族のパワー」を感じます。20世紀、決して恵まれた環境になかったベトナムという国の、美術の力に触れた刺激的な美術展でした。

「リエン嬢」と「遊んでいる子どもたち」
vetonam


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受信: 2005/12/08 08:52

コメント

totoさん
こんにちは。
ベトナムいかれるんですか。いいですね。楽しんできてください。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/10 09:32

僕は今年の末から来年の九日までホーチミンに滞在(サイゴンといいたい)しながらのんびりやってくる予定です。

何か面白いはなしができたらいいですね。それにしても一週間出張でお気に入りの各プログ更新がすげーみたいなかんじですね。参りました。

投稿: toto | 2005/12/09 10:59

はろるどさん
こんにちは。
そうです、リエン嬢、ほんと魅惑的でした。アジアの絵画の流れで見ていくと、更に面白い発見がありそうですね。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 23:12

オバチャンさん
ご来訪ありがとうございます。
私もトリエンナーレ、まだなんですよ。前売り券買ったので、絶対行かねばいけません。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 23:09

cozyさん
ご来訪ありがとうございます。
仙台が故郷でしたか。奇遇ですね。
熊谷達也さん、精力的に創作されていますね。
ブログ、またお邪魔します。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 23:08

どっちさん
ご来訪ありがとうございます。
漆絵の赤と、金。ほんと印象深かったです。独特の世界をつくっていました。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 22:56

bennakaさん
ご来訪ありがとうございます。
TBありがとうございます。私も時間があれば、もう一度みたいです。
また、ブログにお邪魔します。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 22:51

Takさん
こんにちは。
北斎展や、プーシキンの陰に隠れて目立ちませんが、充実した展覧会ですね。ほんと、思い切って見に行って良かったと思います。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/08 22:36

自由なランナーさん、こんにちは
TB&コメントありがとうございました。

漆絵の赤と金色の輝きには感動しました。
やっぱり絵は実物を見ないとなと心から思った展覧会でした。

投稿: どっち | 2005/12/08 08:57

はじめまして
TBありがとうございました。
ベトナム近代絵画展を見に行った人に会えるとは
うれしいですね。今日、もう一度見てきました。
講座を聞いてから見ると一段と理解も深まりました。またご意見ください。
私もTBさせていただきました。よろしくお願いします。

投稿: bennaka | 2005/12/08 00:05

こんばんは。
TBありがとうございました。

これ本当に貴重な展覧会ですね。
もっと宣伝していいかと思います。
色々な収穫のあった展覧会でした。

投稿: Tak | 2005/12/07 21:52

自由なランナーさん、こんばんは。

私もリエン嬢は美しいと思いました。
漆絵の角度を変えて見える輝きも見事でしたよね。
表情も仰られる通りあどけなくて、どこか可愛らしいです。

アジアのキュビズム展の関連で見ると、また面白くなってくる展覧会ですよね。
東京ステーションギャラリーならではの企画でした。

投稿: はろるど | 2005/12/07 01:29

TB&コメントありがとうございました。
ベトナム絵画展だけでなく
いろいろな作品展にいかれているのですね。
わたしもトリエンナーレは行くつもりです。
早くしないと終わっちゃう・・!
4年前のトリエンナーレは赤レンガ倉庫だったのを
思い出します。

投稿: オバチャン | 2005/12/07 00:40

自由なランナーさん、はじめまして。
TB&コメントをいただきありがとうございました。
実は杜の都・仙台は私の故郷でもあり、なお嬉しく思いました。
美術展の感想は、なかなか言葉にするのが難しいのですが、私も多くの絵に「民族のパワー」を感じました。
最近は宮城出身の熊谷達也さんの小説を読んでおります。
今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: cozy | 2005/12/07 00:06

鯨さん
こんにちは。ご来訪ありがとうございます。
「ベトナム近代絵画展」今年見た中でも、私の中では印象深いものになりました。
私は、あとトリエンナーレにいかねばいけません(笑)。
また、お邪魔します。

投稿: 自由なランナー | 2005/12/06 22:20

TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきました。

「ベトナム近代絵画展」は、
内容の良さに比べて、客が少ないので、
各絵をじっくりと鑑賞できました。

戦争から離れて来た最近の作品も、
見てみたいと思っております。

「北斎」「古伊万里」「プーシキン」等
積極的に見ておられる様ですが、
やっぱり「北斎」は、
あの量、300枚だけでも圧巻でしたね。

私の方は、今週末は、
横浜のそごう美術館へ、
「大アンコールワット展」へ
行こうかと画策しております。

時々、覗かせていただきます。

ではでは。

投稿: | 2005/12/06 21:34

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