かつて歌謡曲があったころ
昨晩放映されたテレビの「ザ・ヒットメーカー 作詞家・阿久悠40年記念特別企画」は、久々見入ってしまった番組です。オジサンには、心にぴたっとくる企画でした。
きわめて独善的な持論なのですが、戦後の歌謡曲をつくった作詞家は、永六輔、なかにし礼、そして阿久悠の3人だと思います。その中でも、阿久悠はポップス、演歌からアニメソングまで幅広い作風で、膨大な傑作をつくっています。ちょっと思いつくまででも、演歌では都はるみ「北の宿から」、八代亜紀「舟歌」、石川さゆり「津軽海峡冬景色」。ポップスではピンクレディー「ペッパー警部」「UFO」など一連のヒット曲。ジュリーこと沢田研二の「勝手にしやがれ」、「時の過ぎゆくままに」、西城秀樹「ブーツをぬいで朝食を」、そして私のカラオケの十八番(笑)尾崎紀世彦の「また逢う日まで」と、どの曲も、歌詞が心に響きます。
これらの曲がはやった70年代、80年代は、歌謡曲という言葉でくくられていました。J-POPが生まれる前です。21世紀のいま、歌謡曲という言葉は死語に近いかもしれません。大晦日の紅白歌合戦とレコード大賞は、かつてはワクワクしながらみたものです。いまや、全然みる気がしません。歌詞が意味を持った歌の時代は、終わったのでしょうか。
阿久悠さんの傑作のひとつ、「あの鐘を鳴らすのはあなた」にこんな一節があります。
街はいま砂漠の中。あの鐘を鳴らすのはあなた。
この歌詞、いまでも私の心に、素敵な感動を与えてくれています。
| 固定リンク | 0
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: かつて歌謡曲があったころ:
» Best Hit 80's [花崗岩のつぶやき]
ベストヒット80’s数日前に購入し,聴いてみたところもう嬉しくなるやら懐かしいやらで,思わずお酒が進んでしまいました.フレディ・マーキュリーのボーン・トゥ・ラヴ・ユーに始まり,マドンナのライク・ア・ヴァージン,フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのリラックス...... [続きを読む]
受信: 2005/12/30 10:41
» 偉大なる作詞家 [今日も元気です]
阿久悠氏の作詞家生活40年を記念した歌番組がありました。氏の全盛期、1970~80年代の作品を中心に、ヒット曲の数々が紹介されました。 [続きを読む]
受信: 2005/12/30 13:52
コメント
路傍の石さん
こんにちは。ご来訪ありがとうございます。こちらからもTBさせてもらいます。
楽しいブログお作りですね。
阿久悠さんの時代、ほんと素敵でした。
ブログ、ゆっくり拝見します。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/15 21:27
はじめまして。帝都熱烈音盤解放戦線からやってまいりました。当方の記事をTBさせていただきました。
阿久悠の時代はまさに自分が育った10代の頃とピッタリリンクします。思い入れ以前に呼吸していた空気そのものだったといえますね。
投稿: 路傍の石 | 2006/01/15 16:13
waiwaiさん
こんにちは。
ご来訪ありがとうございます。
こちらこそ、トラックバックだけして、すみません。
おっしゃるとおり、阿久悠さん、プロデューサーの才覚を発揮していた人なんですね。まだまだ活躍してほしいです。
またブログにお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/05 21:33
TBありがとうございました!
マックからではなぜか文字化けしてしまい書き込めず…本日ウィンドウズからカキコしてます。お礼が遅くなって申し訳ないです。
あの番組は1週間ちかくたった今でもいい番組だったなぁと思います。
あの鐘を鳴らすのはあなたへのコメントで、「大きい曲を書こうと思った」と言って実際に大きい曲が書けてしまう阿久悠がすごいと思いました。
あの人は単なる作詞家ではなく、今で言うプロデューサーの先駆けだったのだなと思います。
投稿: waiwai | 2006/01/04 11:17
saharaさん
ご来訪ありがとうございます。
おっしゃるとおり、「昭和の時代の空気」よかったです。(単に懐かしがっているだけかもしれませんが)
またブログお邪魔しまう¥す。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/02 08:49
こんにちは。
トラバありがとうございましたv
私も昭和歌謡好きですー。今は全然音楽の嗜好が変わったように見えるけど、サザンの曲とか時々今でも歌謡曲っぽいと思うことあるし、修二と彰の「青春アミーゴ」とかも懐かしい感じですよね。
今でもあの時代の空気が好きな人、たくさんいると思いますv
投稿: sahara | 2006/01/01 18:18
康彦さん
こんにちは。
そうですよね、懐かしさだけでなく、やはりあの時代の歌は、すてきだったと思います。
また、ブログにお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 17:13
パジャ三十郎 さん
こんにちは。
ほんと、たくさんの歌詞を書いていた人ですね。改めて感心してしまいました。
ちなみに私はジュリーの「時の過ぎゆくままに」がカラオケ持ち歌です(笑)。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 17:08
ちくたろう@さん
こんにちは。
>ファンでなくても歌えてしまう歌の多かったこと
そうなんですね。ジュリーのファンではなかったですが、どの曲も歌えたりします。
昭和歌謡、いい時代だったかもしれません。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 17:00
介さん
こんにちは。
>特にヒット曲によくある傾向ですが、同じようなフレーズを同じように並べるだけの歌詞に心が動くことはありませんね。
おっしゃるとおりだと、私も感じます。今の時代、作詞家とは、何なのかと、番組を見て思いました。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:51
傷だらけの天使さん
こんにちは。
松本隆さんも、歌謡曲の歴史の中で、見逃せないですね。
おっしゃるとおり、阿久悠はプロデューサーなんでしょうね阿久さんの歌詞は、どこか論理的なものを感じます。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:47
tantanmenさん
こんにちは。
おっしゃるとおり、最近の歌は、語感がおろそかですね。ただ聴いていては、なにを言っているか、よくわからない歌も多いです。
心の響かない、のは、こんなことも理由かもしれませんね。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:34
schmidtさん
こんにちは。
私も、もっと阿久悠さんの話を聞きたかったです。昨晩もレコード大賞をみていて思ったのですが、やはり歌詞が面白くないですね。どうしてでしょうか?私の感性が変わってしまったのでしょうか。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:29
V.J.さん
こんにちは。コメント遅れてしまいました、すみません。
>今のJ-POPS自体が砂漠の様な状況ですよねぇ。そんな中、「鐘」を鳴らすホンモノのプロがいて欲しい。と言うか、鐘を鳴らすのはきちんと、聴き分ける事が出来る聴き手のほうなのかもしれません。
ほんと、おっしゃる通りだと思います。最近の歌詞に、どれほど意味があることか。
また、ブログにお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:22
うっきーかずちゃん。さん
こんにちは。
おっしゃるとおり、「昔の紅白」って感じだったですね。それに「よいどれかぐや姫」、ちちょっと変じゃなかったですか?
投稿: 自由なランナー | 2006/01/01 16:19
はじめまして。TBありがとうございます。
最近のハヤリの音楽の貧弱さがずっと気になっていたワタシにとって、
この番組はわが意を得たり、といったところでした。
感受性が高い年頃に耳にした音楽は、
後々まで記憶に残るものだとは思いますが、
そのことを差し引いても、当時の音楽は魅力にあふれていたと思いますね。
投稿: 康彦 | 2005/12/31 12:08
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。
私は阿久悠といえば、ピンク・レディーというイメージが強かったので
これだけ様々な歌手に詞を提供していたとは驚きでした。
しかもコピーライター出身だとか、知られざる一面を知った気分。
いろんな歌手の方のインタビューも興味深かったです。
ちなみに私のカラオケ定番は「勝手にしやがれ」特に二番の歌詞が好きですね~。
メロディ・歌詞共に出来のいい歌謡曲は、すっと覚えられてしまうんですよね。
それが当たり前と思っていた時代が懐かしいです。
投稿: パジャ三十郎 | 2005/12/31 02:21
トラックバックありがとうございます。
竹山馳駆太郎日記のちくたろう@と申します。
阿久悠、
昭和歌謡はこの人とともにあったのですね。
今流れている歌を十年後唄えるものかどうか、
そう考えると、
ファンでなくても歌えてしまう歌の多かったこと…
あの鐘を…
大きい歌が書けた、
そう阿久悠さんご自身が言っておられましたね。
投稿: ちくたろう@ | 2005/12/31 00:44
トラックバックありがとうございます。
最近の紅白やレコ大、俺も見る気がしません。
自分の知らない時代なのに、過ぎ去った時代の素晴らしい音楽を観ると寂しいというか、惜しいなぁという気持ちになります。
今の時代、特にヒット曲によくある傾向ですが、同じようなフレーズを同じように並べるだけの歌詞に心が動くことはありませんね。
>歌詞が意味を持った歌の時代は、終わったのでしょうか。
終わったものと思いたくないものですが、果たして。
投稿: 介 | 2005/12/31 00:35
個人的には松本隆の季節感のある詞が好きです。
阿久悠氏は作詞家の域を超えたプロデューサー的仕掛け人のスケールのある人物ですね。
詩人というよりヒットメーカーとしての歌詞の職人の印象が強いです。
多くの歌謡曲がそういった職人さんの手によって
作られていた時代だったのでしょう。
投稿: 傷だらけの天使 | 2005/12/30 23:44
歌詞について気になっていることが一つ.最近の歌はリズムやメロディ重視のためか,日本語の語感がおろそかになっている感じがします.例えば一青窈の「ハナミズキ」.「うーすべにいろーに」,と単語が切れるだけでなく,アクセントが「すべに」という部分にかかってしまい,歌詞カードを見ないと良く判らないということがあります.破格ということも表現では許されると思うし,予定調和が良いともいえませんが,現状は語感がおろそかにされ過ぎています.schmidtさんが書かれたようにやはりメッセージが心に届くためには日本語をもっと大切にして欲しい.
投稿: tantanmen | 2005/12/30 10:39
見ました。阿久悠の顔がこころなしか優しくなったような気がしました。しかし、歌詞を聞き取れない歌は「致命的」。それを許している人がいることが信じられないー。強いメッセージでした。あの対談をもっと長く見たかった。
投稿: schmidt | 2005/12/30 10:29
TBありがとうございます。
V.J.と申します。
いやぁ、この番組、久々に見入ってしまいました。
>街はいま砂漠の中。あの鐘を鳴らすのはあなた。
今のJ-POPS自体が砂漠の様な状況ですよねぇ。そんな中、「鐘」を鳴らすホンモノのプロがいて欲しい。と言うか、鐘を鳴らすのはきちんと、聴き分ける事が出来る聴き手のほうなのかもしれません。
そんな気がします。
これからも宜しくお願い致します。
投稿: V.J. | 2005/12/30 09:30
阿久悠の特集ってことでしたが、なんだか、昔の紅白
の総集編を観ているような錯覚を覚えました。
暇つぶしにぼんやり観ていましたが、意外にお買い得
な番組だったように思います。
ちなみに「よいどれかぐや姫」は初めて聴きました。
衝撃でした(笑)…
投稿: うっきーかずちゃん。 | 2005/12/30 09:13