ドラマとポエジーの世界へ:和田義彦展
渋谷の雑踏から歩くこと15分、渋谷区立松濤美術館で「ドラマとポエジーの画家 和田義彦」展をみてきました。この美術館は、所蔵品を持たず、企画展のみを行っています。和田義彦は渋谷区在住の現役の画家。私は初めてみさせてもらいました。美術展のサブタイトル「ドラマとポエジーの画家」、なんとも見にいきたくなる素晴らしい表現です。
会場の入り口の紹介文の中に、和田の言葉がこうあります。
「変化し続けることが最も重要」
この企画展では和田の最新作とあわせ、1990年代の作品も展示されています。
展示室に入ると、まず目に入ってくるのは「食べる人」と題された最近の連作。外人の男女が、スパゲッティとかを食べているところを描いた作品。檜にテンペラ、油彩で描かれており、檜の木目と描かれた絵が、妙な調和を生んでいます。
その後ろにある2004年の大作「神戸」。中央に描かれている女性は、聖母なのでしょうか。宗教的な印象をうける、迫力がある作品です。
これらの作品に比べると、1992年に描かれた「Rossi夫妻の宴」は、明らかに作風が違います。スパゲッティを食べる男、男のような横顔のウエイトレス、それにうつろな表情でベッドの腰掛ける裸の女。シュルレアリスム的作品といっていいのでしょうか。幻想的な作品です。
和田の作品は、空想世界から描き出されたように感じるものが多いです。単に表現主義やシュルレアリスムの範疇に分類できない作品世界。
作品をみていて感じることは、その線と面、そして色の調和の織りなす表現の豊かさ。無意味に描かれたようにみえる線が、意味があり、主張しています。色は、赤、緑が印象的に使われています。
和田義彦の絵画世界を堪能できる、素敵な美術展だと思います。
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» 「和田義彦展」 [弐代目・青い日記帳]
渋谷区立松濤美術館で開催中の
ドラマとポエジーの画家「和田義彦展」に行って来ました。
松濤美術館までは渋谷の駅からかなり「坂」を上って距離を歩きます。
弱虫な自分は井の頭線で神泉駅まで…暑かったんです。今日の午後。
(帰りは坂を下って歩いて帰りました)
目的は現在開催中の和田義彦展。
1940年生まれの和田氏は現在65歳。
現役で活躍されている画家さんです。
名古屋芸大教授や武蔵野美術大学などで
教鞭を執っている(いた)画家さんでもあります。
『芸術新潮』... [続きを読む]
受信: 2005/09/06 12:03
» ドラマとポエジーの画家 和田義彦(9/18、9/19) [ex-chamber]
松濤美術館にて。(8/2〜9/19)http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/20050802_wada.htmlちょっと眠気が残る日曜日の正午前。この日のアート巡りの一番最初に選んだのが松濤美術館での和田義彦展。氏に関…... [続きを読む]
受信: 2005/09/20 22:28
コメント
とてもがっかりさせられました。盗作だったたは・・・。だまされました・・・。
投稿: | 2006/06/01 01:17
結局、和田氏は、たちの悪い盗作者であり、
人間的にも最低であることが証明されてしまい
ました。
投稿: | 2006/06/01 00:16
Takさん
ご連絡ありがとうございます。
仙台では日経新聞の夕刊がないのです。東京に頼んで、手に入れてみます。
投稿: 自由なランナー | 2005/09/06 22:30
こんにちは。
先日、拙blogでお知らせした
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=368
新聞掲載の件ですが、
先ほど日経さんから電話があり、
明日(7日)の夕刊に掲載予定とのことでした。
BLUE HEAVEN中心の記事になるようです。
http://www.icnet.ne.jp/~take/
取り急ぎご連絡まで。
これからも宜しくお願い致します。
投稿: Tak | 2005/09/06 12:01