源氏物語絵巻の素晴らしき世界
遙か850年前の絵巻は、幽玄なる源氏物語の世界へ誘ってくれます。昨日から、上野毛の五島美術館で「源氏物語絵巻」の公開がはじまり、さっそく出掛けてきました。国宝の絵巻が公開されるのは、一年でこの時期の10日ほどだけです。展示にあわせて、学芸員の方のギャラリートークもきいてきました。トークはわかりやすく、絵巻のことが、初心者にもよくわかりました。
「源氏物語絵巻」は、十巻本として制作され(十二巻説、二十巻説もあり)、約4巻分が現存。そのうち1割弱が五島美術館にあり、残りの多くを愛知の徳川美術館が所蔵。今回の展示では五島美術館で保有するすべての絵巻:「鈴虫一」、「鈴虫二」、「夕霧」、「御法」が公開されています。
絵巻は平安時代、12世紀のはじめに書かれたとされ(これも異説があり)、「女絵」と呼ばれる貴族文化を背景として生まれ、院政時代に成熟したもの。
「源氏物語」の原文の一部を引用した「詞書」とそれを絵で表現した「絵」で構成される絵巻。建物は『吹抜屋台』と言われる屋根を省いた描写で書かれ、人物の顔は『引目鉤鼻』で表現される、独特の絵巻世界。そこは、見るものが、絵のなかで展開されるストーリー、人物の心情、人間模様を想像しながら楽しむ芳醇な世界が展開します。絵巻をみているうちに、平安時代の貴族たちの世界に入り込んだような、錯覚に陥りました。
ぜひ、みておきたい企画展です。
☆「源氏物語絵巻」のこと書かれているブログにTBさせてもらいます。
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