映画「トニー滝谷」の魅力
先日、東京で映画「トニー滝谷」をみてきました。村上春樹の小説が原作、イッセー尾形、宮沢りえ主演の映画です。金沢に住んでいた頃は、毎年公演をみにいっていたイッセー尾形ファンです。村上春樹の本は読んでいないのですが、みにいってきました。
全編に美しい坂本龍一の音楽が流れ、淡々とストーリーが進んでいきます。登場人物が、イッセー尾形と宮沢りえだけといっていいくらい、二人が画面にでている時間が多い映画です。なにか、イッセーの舞台をみているような気に、一瞬なりました。でも、彼の舞台で見せるキャラクターは片鱗もみせず、かといって違う魅力があるかというと、それもあまり感じられませんでした。見終わった直後は、いまひとつな印象だったんです。
でも、しばらくして思い出してみると、なにか妙に引っかかる映画です。それは村上春樹の原作のせいなのか、映像表現からくるものなのか、イッセーの演技力なのか・・・。「孤独」という言葉が頭をよぎり、一抹の寂しさを感じました。市川監督は、なにを表現したかったのでしょうか。あとからいろいろ考えさせられる映画でした。
★「トニー滝谷」に感銘されたブログにTBさせていただきます。
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» 乙酉年如月四ノ弐 トニー滝谷 [週刊電影報告]
トニー滝谷@ユーロスペース
2004年/日本/市川準
村上春樹の短編を映画化した作品。
ジャズミュージシャンの父からトニーと名づけられたトニー滝谷(イッセー尾... [続きを読む]
受信: 2005/03/03 21:28
» 「トニー滝谷」〜孤独について [hatonosu-annex]
本来、私の映画の嗜好は、音楽映画を除くと、ありがたいことに東京に住んでいることもあって、単 [続きを読む]
受信: 2005/03/03 21:43
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『トニー滝谷』
・2005年 アメリカ・サンダンス映画祭
ワールド・シネマ・ドラマティック・コンペティション ノミネート作品
・第57回 ロカルノ国際映画祭
... [続きを読む]
受信: 2005/03/04 01:02
» トニー滝谷 [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
「トニー滝谷の本名は、トニー滝谷だ。」
エジプト帰国後、初の自腹鑑賞はトニー滝谷。今日はサービスdayなので、1000円で鑑賞。
村上春樹の短編小説を市... [続きを読む]
受信: 2005/03/07 08:01
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好きな台詞・・・というかナレーション
「トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった」
という面白すぎるナレーションで始まる本作は、全編映画演出の粋をこらし... [続きを読む]
受信: 2005/03/28 02:25
» トニー滝谷 [befounddead]
TONY TAKITANI
(2004年 日本)
2005/4/4@ユーロ
これ、今んとこ今年のベスト。
もしくは『ビフォア・サンセット』と並んで同率1位。
駆け込みだったけど、観れて本当によかった。
ちなみに原作は、映画を観た時点では未読だった。
あらすじはどこかほかのところでお願いします。
この映画、存在を初めて知ったときの第一印象は
「春樹の映画化!?ぜってー無理、やめとけ!」だった。
でもちらしを見てみたら「あぁこれいけるかも」と即座に考えを翻した。
ち... [続きを読む]
受信: 2005/04/21 05:03
» トニー滝谷 今年の194本目 [猫姫じゃ]
トニー滝谷
ま、期待して見た訳じゃないから、いいんだケド、、、今のあたしには、こんな映画は、合わない。
全編が小説?ず〜っとプロローグで、やっとお話しが始まったと思ったら、、、
終わってしまいますた!!
ま、こんな事もあるでしょ?ま、こんな人もいるでしょ....... [続きを読む]
受信: 2005/10/02 13:48
» 映画のご紹介(8) トニー滝谷 [ヒューマン=ブラック・ボックス]
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介 トニー滝谷-
「トニー滝谷」を見た。
これは、村上春樹の短編小説集 「レキシントンの幽霊」(1996年 文藝春秋社刊)からの同名の短編の映画化だ。
短編自身の発表は文藝春秋の1990....... [続きを読む]
受信: 2005/12/30 11:47
コメント
Ricaさん
ご来訪ありがとうございます。
ゆったりとした雰囲気ながら、なにかひっかかる映画でした。
また、ブログお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2005/03/04 05:40
TBありがとうございます☆
ゆったりとした時間の流れとその中にある
ストーリー性に私は惹かれました。
気がついたら涙が零れるいい作品だと思います。
私は好きです♪
イッセー尾形さんの演技が絶妙でよかったです。
投稿: Rica | 2005/03/04 01:01
ぼんさん
ご来訪ありがとうございます。
この映画、イッセー尾形ファンは、見にいかれているんですね。
私は、映画をみて、久しぶりに彼の舞台がみたくなり、5月の東京での公演を申し込んでしまいました。
投稿: 自由なランナー | 2005/03/03 22:29
hatoさん
ご来訪ありがとうございます。
おっしゃるとおり、好き嫌いがわかれる作品でしょうね。だめな人は、爆睡してしまう可能性のある映画でしょう。
イッセーファンにとっては、新しい魅力を発見させてくれる作品かもしれません。
投稿: 自由なランナー | 2005/03/03 22:22
みつこさん
ご来訪ありがとうございます。
私も原作を読んでみたくなりました。「孤独」、「喪失感」といったことが、どう表現されているのかな、と思っています。
投稿: 自由なランナー | 2005/03/03 22:13
higansugimadeさん
ご来訪ありがとうございます。
あとからジンとくる映画でした。
またブログにお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2005/03/03 22:07
TBありがとうございました。
イッセーさんの舞台
わたしも関西にこられるときに
よく行きます。
シンプルな部屋のシーンとかが多いところも
少しイッセーさんの舞台を
思い出したりもしました。
確かにみてすぐより
みた後しばらくしてから
じんわりと心に何かが浮かんだりする映画でしたね。
投稿: ぽん | 2005/03/03 21:41
不思議な魅力のある映画ですよね。
イッセーさんのファンなので観に行ったのですが、イッセーさんの魅力もさること乍ら、宮沢りえさんも良い演技で、観るものを惹き付けていたと思います。
観終わったあとから、ずっと心にざわざわさせるものを感じます。
好き嫌い分かれるでしょうが、私は好きな映画です。
投稿: hato | 2005/03/03 21:38
TBありがとうございます。
ほかの市川作品とひと味違う映画だと思いました。原作をまだ読んでいないので、ぜひ読んでみたいと思っています。
好き嫌いが激しく別れる作品だと思います。しばらくすると妙に何かひっかかる、というのは私も全く同じです。後から何かじわじわくるんですよね。
投稿: みつこ | 2005/03/03 21:33
TBありがとうございます。
ぼくもよくにた感想かもしれません。
投稿: higansugimade | 2005/03/03 08:45