市民からみた「せんだいメディアテーク」
昨日の「新日曜美術館」は、東京・森美術館で開催中の「アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展 1950-2005」の特集でした。「アーキラボ」とはフランスで毎年開催されている建築の国際会議のこと。展覧会のWEBによると
各時代の建築家たちが模索していた建築理論とその実践を紹介しながら、さらに最新のダイナミックな造形、そしてしなやかな建築の未来の可能性を描いていきます。
とあります。
建築の創造性、独自性は限りがないはずですが、一方、建築を使う側に立つとその創造性ゆえ、「使いにくい建物」ともなりがち。建築の独自性の歴史は建築家と使用者とのせめぎ合いの歴史かもしれません。ふと「せんだいメディアテーク」はどうだろうな、と思いました。
以前にも書きましたが、仙台の定禅寺通りに立つ「せんだいメディアテーク」は有名な伊東豊雄さんの設計で、かなり独自性のある設計です。全面ガラス張り、オープンスペースが基本です。エレベーターもガラス仕様(?)ですし(上の写真)会議室などもガラスばりのところもあったりします。
そもそもメディアテークってどんな意味?これは造形語で、「テーク」はフランス語で入れ物や棚の意味とか。つまりメディア(媒体)の棚ということ。ちょっとわかりにくいかも。設計者の伊東さんはこういっています。
「内側に閉じがちな公共建築と都市の境界をメディアのように開きたい」
これは納得できますね。ただこのメッセージが充分市民に届いているのか?仙台市民としては半人前の私ですが、メディアテークの空間を充分楽しんでいます。仙台の皆さんはどうでしょう?
こんな本をメディアテークのショップで見つけました。
せんだいメディアテーク 写真集
☆せんだいメディアテークのことを書かれているいくつかのブログにTBさせていただきます。
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コメント
ぶんぶんさん
はじめまして。ご来訪ありがとございます。
このメディアテークは、仙台でどのような役割をしていくか、私も注目しています。ちょうど今日も、いま開催している写真展のシンポジウムに足を運んできました。仙台地元の方がどう利用されているか、私も興味があります。
伊東豊雄さんの建物は、周囲の風景ともよく調和していると思います。
また、お越しください。
投稿: 自由なランナー | 2005/05/15 20:45
初めまして。ぶんぶんと申します。
仙台メディアテークについてフランスのテレビで
やっていたので、興味が湧いて調べている内に
ここに飛んで来ました。
メディアテーク(メディアテック)という言葉は
仏語では日常よく使われるもので、メディアセンター
や視聴覚ライブラリーのことを指します。
放映を見た印象では、非常に使いやすく、気持ちの
良い空間だと思いました。
展示会の時の仕切りを簡単に引き出してきて好みの
場所に備えたり、壁の変わり(?)にカーテンを使用
する案も興味が湧きました。
実際使われている方の感想をこちらで読める
ことを楽しみにしております。
余談ですが、夜メディアテークを外から見た映像
で、エレベーターが上下する時に反射する光と柱の
影がとても美しかったです。
投稿: ぶんぶん | 2005/05/15 04:11
東京恋慕さん
こんにちは。
定禅寺通りとメディアテークの作り出す空間、私も大好きです。建物の中にいると、不思議な気持ちよさを感じます。
私は、もっぱら2階の雑誌コーナーで時間をつぶし、図書館で本を借りていく、というのが多いです。
投稿: 自由なランナー | 2005/01/30 06:59
結構レポートとかたまっちゃったりすると行くんですょね、メディアテーク。
定禅寺通り好きな私としてはカッコイイ建物なんで大好きです。
ちょっと駅からは遠いですがバスで仙台駅から100円なんでご愛嬌。
投稿: 東京恋慕 | 2005/01/29 23:43
壊れかけのORANGE DAYSさん
ご来訪ありがとうございます。日本人ってやはり保守的ですから、メディアテークのようなかっとんだデザインの建物を造るのは、相当抵抗があったのでは、と推察しています。でも、結果としてよかったのではないでしょうか。
また、楽しいブログにお邪魔します。
投稿: 自由なランナー | 2005/01/25 22:07
スミマセン、↓のコメントに名前とURL入れ忘れていました…。
投稿: 壊れかけのORANGE DAYS | 2005/01/25 21:12
TB頂きありがとうございます。
不特定多数の人が利用する建築物って難しいですよね。
建物だけ良くても使いにくければ建築家のエゴになってしまうし、
逆に使いやすさだけでもツマラナイ建物の烙印を押されてしまうし…。
静岡在住で仙台はちょっと遠いですが、いつか一度行ってみたいです。
投稿: | 2005/01/25 21:10
obaさん
ご来訪ありがとうございます。確かに図書館と、他のサービスとの連携は見えにくいと感じる部分はあります。このメディアテークのやろうとしていることが、使用者側には十分には伝わっていないかもしれません。私も、図書館以外のサービスを積極的に使ってみようと思っています。
メディアテークのことは、またレポートするつもりです。
投稿: 自由なランナー | 2005/01/24 22:56
まる3@山中湖さん
ご来訪ありがとうございます。ライブラリーショップというのはおもしろい発想ですね。データの電子化により、出版は容易に出来るようになってきたと思います。たとえば、PDFファイルでの配信で、いとも簡単に大量に情報を配信できます。
メディアのあり方も変容していきますね。
投稿: 自由なランナー | 2005/01/24 22:50
せんちゃんさん
ご来訪ありがとうございます。昨日もメディアテークにいってみたんですが、図書館はもちろん、映像音響ライブラリーも賑わっていました。オープンスペースのスタジオも会合が行われていました。
市民はよく使っているのでは、という印象です。
投稿: 自由なランナー | 2005/01/24 22:45
トラックバック、ありがとうございました。
せんだいメディアテークは、コンセプトについては、非常に面白いですし、評価もされていると思うのですが、一方で、図書館と、同じ建物に入っている他のサービスとの連携が今一つだった(今は違うかもしれませんが)、という話も聞こえてきます。
そのあたり、現地で実際に見ているとどんな感じなのでしょうか。
まる3@山中湖さんの指摘されているようなことも気になりますし、ぜひ、また続編のレポートをお願いします!
投稿: oba | 2005/01/24 21:52
富士の麓の山中湖へ、TBありがとうございます。
「せんだいメディアテーク」さまの取り組みの中で、
1.せんだいメディアテーク
2.メディアアシスト
3.協同組合みやぎマルチメディアマジック
の関係に、強い興味を持ってます。
博物館にミュージアムショップがあるように、図書館にだってライブラリーショップがあってもいい。編集プロダクションだって、出版社(パブリッシャ)だって、配信社(ディストリビュータ)があってもいい。図書館の入館料と資料貸出料さえ取らなければ、図書館法上は問題ない....、と考えているのだが、いかがろうか。
投稿: まる3@山中湖 | 2005/01/24 16:39
はじめまして。TBありがとうございました。
メディアテークは市民の方にどのように受け入れられているでしょうか?
この施設は最先端の施設で仙台からはるか彼方の私が住んでいる地でも関心を持ってみています。(メディアの中に「図書館」をいれているところもなかなかいいですね)
今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: せんちゃん | 2005/01/24 12:30