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2004/12/25

映画「レディ・ジョーカー」の面白さ

年末はミステリーが話題になる時期。週刊文春でも恒例の年間ミステリーのランキングが発表されていました。ミステリーファンではない私には、ここ何年かは買ってみようというミステリーも少ないです。ミステリーといえば、この前の週末に、映画「レディ・ジョーカー」をみてきました。

ネット上での批評では、原作とは違うとか、映画としてもまとまっていないとか、やはりオリジナル小説がある映画の宿命で、けっこう批判が見受けられます。でも、私は2時間の「レディ・ジョーカー」を楽しめました。この原作は単行本で出たときに読んだのですが、記憶力の悪い私は、細かいストーリーはもう覚えていないので、原作との比較が細かくできないのですが、映画として1800円の価値がありました。

映画での役者さん達、いい演技してます。たとえば渡哲也。うらぶれた薬局店主の役ですが、彼がひとりで食事をするシーン、なんともいえない哀愁感ただよう演技でした。吉川晃司はワルな刑事役ですが、冷ややかな演技がさえます。また、企業組織の悪さを体現したかの岸辺一徳のふてぶてしい存在感も見事。ただ、合田刑事はちょっとイメージが違ったな。もうちょっと存在感があってほしかったな。
渡哲也演じる薬局店主の台詞が印象的でした。

「あんたらには、わかりゃしないよ。なるようにだけ生きてきて、なるようにしか生きられない人間の気持ちが。」

(記憶で書いているので、ちょっと違っているかもしれません)
役者さんの演技に魅せられた映画です。

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この記事へのトラックバック一覧です: 映画「レディ・ジョーカー」の面白さ:

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受信: 2004/12/25 10:58

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受信: 2005/01/28 01:39

コメント

九州男児さん
こんにちは。奥沢5丁目といえば、九品仏のあたりですか。30年前といえば、私は高校生かな。
20年以上前、福岡に2年ほど住んでいました。いい土地でした。
また遊びにおいでください。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/30 21:40

返事ありがとうございます。
単身赴任は大変でしょう。
お家が、自由が丘との事。
私は、現在51ですが、学生時代は自由が丘のお隣の奥沢5丁目に住んでいました。
もう、30年も前の話ですけど・・・(^^;
だから、自由が丘もけっこうウロウロしていました。
懐かしいところです。
また、覗かせていただきますね(^^)/

投稿: 九州男児 | 2004/12/30 15:52

九州男児さん
こんにちは。ご来訪ありがとうございます。勝手なことかいてるブログなんですが、お褒めいただいて恐縮です。
[極私的映画論+αから]さんのご意見は、そういう見方もあるんだな、と参考になりました。共感とはちと違いますが。吉川晃司は、私もいい演技してるな、と思いました。
これからも遊びにおいでください。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/29 22:21

はじめまして~♪
TBでここにきましたので、記念に書き込みます。
なかなか素敵なブログを開かれていますね。
私も、こちら同様にこの映画は気に入りました。
もう一度改めてみてみたいと思っています。
共感されたブログにTBされるとの事で、いろいろ覗いてきましたが、「極私的映画論+αから」って、共感されたんですか?

投稿: 九州男児 | 2004/12/29 15:28

ミサオさん
[極私的映画論+αから]のコメント、ざっと読みました。あまりに長いので、全部は読み切れませんでしたが。映画ファンの議論は、どうしても「入り込んで」しまいがちのようですね。私などは、熱心なファンではないので、まずは楽しめればいいかなと思っています。
おっしゃるとおり、せりふには注目して欲しい映画だと思います。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/27 17:51

トラックバックの[極私的映画論+αから]のところに、面白そうなやり取りがありました。
人の評価も様々ですね。
この映画をストーリーだけを追っかけた映画で、セリフだけだって・・・
何を観ているんでしょうね。
ひょっとして、映画の間、寝ていた人だったりして・・・ププッ(*^m^)

投稿: ミサオ | 2004/12/27 14:13

kazumiさん
お久しぶりです。吉川さんファンには、是非みて欲しいです。映画そのものは、意見が分かれていますが、吉川さんの演技は、ほとんどがほめているようです。
おすすめです。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/27 07:04

こんにちは。
「レディ・ジョーカー」ご覧になられたのですね。私も見ようと思いながら、まだ劇場へ行ってません。・・・早く行かないと、終わってしまうのではないかと心配^^
実は半年ほど前に「映画を見る前に読むぞ!」と原作を買いました。ですが、冒頭の手紙の難解さに戸惑い、中断したままなのです。映画を見たら、読みやすくなるかな? と期待しているのですけど、どうでしょうか。
映画「レディ・ジョーカー」について、他にもたくさんの方がブログに書いていらっしゃるようで、とっても興味があります。けど、映画を見たら記事を読もうと思って、じっと我慢しています。 ワル刑事の晃司が楽しみです^^

投稿: kazumi | 2004/12/26 23:59

ぱいん田中さん
私はレディ・ジョーカーの細部のストーリーとか忘れてしまっていました。映画をみて、ああこんな登場人物がいたんだなと思い出したほど。それでも2時間楽しめましたよ。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/26 14:55

さいんさん
私は、原作を読んでなかったらみていないでしょうね。単純な比較は乱暴ですが、ちょっと前の森田監督の『模倣犯』よりは全然よかったと思います。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/26 14:46

果たしてこの映画は原作を読んでいないと理解できないのかが、
いまだに疑問。

私はもともと高村薫のファンだったので、良かったと感じたのですが。

比較になるかどうかわかりませんが、「海猫」についても、
「原作を読んでいないとわからない」というコメントが多かったのですが、未読の私でも、少なくともストーリーや登場人物の感情の流れは理解できました。

思うに、原作を読んだかどうかではなく、観る側にどれくらいの話を理解する下地(人生経験?)があるかどうかの問題なのでは?

どうもわかりやすい話じゃないと、一般的な高評価を受けにくいというのが、今のトレンドのようです。

TBありがとうございました。

投稿: パイン田中 | 2004/12/26 13:43

TBありがとうございました。
記事に書いた通り、感情の振幅の起こらない映画だったのですがいまだにやはり駄作だったとは思えません。
見終わった瞬間からどんどん忘れていく映画もある中、あとからあとから「あの行間は何だったんだろう」と考えさせられることが多く、それはもしかしたら監督の狙いにまんまとはまってしまったのではないかと思っています。
吉川晃司目的で見た映画でしたが思わぬ拾い物をしたような気分です。

投稿: さいん | 2004/12/26 10:55

ヨウさん
おっしゃるとおり、高村さんの小説を映画化するのは、かなり難度のたかいことだと思います。でも、それを映画人としてはトライしてみたいのでしょうね、きっと。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/25 23:19

kossyさん
私は細部まではよく覚えていないとはいえ、原作を読んでいますが、小説を読まずにいきなり映画をみると、やはり唐突な面があるんでしょうか。
批判しなければ、邦画はよくはなりませんね。、またブログにお邪魔します。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/25 23:16

灘雅輝さん
やはり小説を映画化した作品は、評価が分かれてしまいますね。私などは深く考えないで、映画として楽しめればいいほうなので、この「レディ・ジョーカー」はいい映画だと思います。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/25 23:09

cyazさん
小説と映画とは、描くものの範囲が違うのでしょうか。小説「レディ・ジョーカー」のメッセージは確かに深く、思いが込められていました。それを描き切れていない映画は、失敗作なのか、と自問自答してしまいます。

投稿: 自由なランナー | 2004/12/25 23:05

初めまして。トラックバックありがとうございます。
他にもコメント入れましたが、高村作品は2時間では表現できないですね。「原作を知ってる人だけ、うなづいて下さい」てな感じでしたし、物井がキチンと主犯してないのが不満でした。
緊迫したシーンなのに、画面がちょっとね。っていう所もありましたし・・・。褒めるのは、吉川晃司の演技だけかな。

投稿: ヨウ | 2004/12/25 20:49

すみません。
批判的な記事を書いたのにTBしていただきまして・・・ありがとうございます。

社会的弱者が浮き彫りになるという設定は好きなんですよ。
ラスト近くのビール3本のシーンも好きだし・・・

投稿: kossy | 2004/12/25 16:19

はじめましてTBありがとうございます。
私は十分楽しめたんですが周囲の評価を聞くと結構評価が分かれてますね~
やはりストーリーを追いかけて楽しむタイプの方には「あの話はどうなったのあのエピソードの続きは」といろいろ見た後つっこまれました^^;
人それぞれ見方はいろいろあるものですね~

投稿: 灘雅輝 | 2004/12/25 11:46

TBありがとうございましたm(_ _)m

良かったですね^^
僕はこの映画にはなかなか
感情移入できなかったです。
やはり映画のサイズでは描ききれない奥深い
人間像があったのではないかと感じました。

投稿: cyaz | 2004/12/25 11:01

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